【渋谷区】「井上有一の書と戦後グラフィックデザイン 1970s-1980s」が松濤美術館で公開中です。
現在渋谷の松濤美術館では、現代書家井上有一の展覧会「井上有一の書と戦後グラフィックデザイン 1970s-1980s」が開催されています。
書がグラフィックアートとして成立するということ自体が不思議な気がするのですが、作品を見ると躍動感あふれる筆のタッチがまるで絵画のよう。なんというか紙に書かれた文字が二次元を超えてグッと立体で迫ってくるようでした。当時のグラフィックデザイナーやアーティストが「書」という枠を超え夢中になったのも理解できます。会場は写真撮影ができないのですが、見た時の感動は深く記憶に刻まれました。
今回の展覧会に行こうと思ったきっかけは、松濤美術館のHPに掲載された1枚の井上有一のポートレート写真。笑う顔が想像できないほど厳しい表情の写真です。井上有一が生きた時代には太平洋戦争があり、彼は東京大空襲を経験し仮死状態に陥っています。その経験は「噫横川国民学校」という作品となり、今回の展覧会で見ることができます。そういった経験で彼の表情が厳しくなってしまったのかは分かりませんが、この作品は一度見たら決して忘れられない作品になると思います。

松濤美術館の螺旋階段
今回の展覧会は地下1階と2階が展示室になっていますが、入口を入って丸窓の脇の場所に「大きな井上有一」という動画が流れています。この動画は、鑑賞前に観た方が作品の理解が深まって良いと思います。
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